ここ数ヶ月の間に、SNSから火が付き話題のなった「V3ファンデーション」
筆者も愛用している商品で、肌がツヤツヤに演出でき、
私自身の肌には特別影響はありません。
しかし今、私も愛用しているこのV3ファンデーションは危険である。
という理由を述べた形成外科専門医の上原恵理医師のTwitterのツイートが、
非常に話題となっています。
今回はこの記事が、Yahoo!JAPANのトップページにある
「話題のニュース」にまで発展した経緯と、
そのツイートの内容を整理したいと思います。

https://www.infotop.jp/click.php?aid=398736&iid=90870
https://news.yahoo.co.jp/articles/dd164dfccfdc11aadd7f59242b2ab75642f9721c
▲こちらがそのYahoo!JAPAN TOPニュース!!
▲V3ファンデーションをツイートで警鐘された上原恵理医師
上原医師によると(ここからは上原医師の記事を貼り付けさせていただきます。)
ここ数ヶ月の間に、SNSから火が付き世間で一躍有名になったコスメがある。
それは、「V3ファンデーション」だ。
InstagramやTwitter、YouTubeなどであらゆるインフルエンサーが取り上げ、数多の雑誌にも紹介されたこのコスメは、取り扱っている多くのサロンでも品薄になるほどの人気となった。
また、Yahoo!検索対象2020のコスメ部門賞も受賞し、いかに世間の関心が高いかが伺える。
「イノスピキュール」と呼ばれる“針”を配合し、リフトアップ効果を謳う「V3ファンデーション」だが、この商品の使用に警鐘を鳴らす医師がいる。
形成外科専門医・美容外科医・美容皮膚科医である上原恵理氏だ。
上原氏は「V3ファンデーションは危険である」というツイートを理由とともに投稿し、大きな話題を読んだ。
今回は上原氏に直接、「V3ファンデーション」の何が問題なのか話を聞いた。
「角質層を超える」表現は薬機法違反
上原氏は「V3ファンデーション」についてこう話す。
「まず、化粧品は薬機法で『角質層を超える』ことを謳ってはいけないと決められています。
ですからこのシリカの針、すなわちイノスピキュールというものが角質層を超えると謳っている時点で違法ということになります。
「V3ファンデーション」を取り扱う美容サロンのサイトには、確かに「細胞分裂が起こる肌の基底層にちょうど刺激を与える長さの針(イノスピキュール)が細胞活性を促す」という記載がある。
日本皮膚悪性腫瘍学会によれば、「表皮は数層の細胞からなる薄い組織で、表面から、角質層、顆粒層、有棘細胞層、基底細胞層で構成される。
すなわち、上記の「V3ファンデーション」に関する文言は、角質層を超えて針が基底層にまで刺激を与えると謳っているため、違法ということになる。
▲確かに「肌の真皮層にちょうど刺激を与える長さの針」という表記にあると話題に。
メイクやスキンケアの成分が針伝いに肌の中へ入る危険性
さらに上原氏は「イノスピキュールの刺さった状態が最大72時間続くということは、ファンデーションの他に私たちが顔に付けるものも針を伝って肌の中に入ってしまう可能性がある」と指摘する。
「全成分を見ると、V3ファンデーションにはケミカルな物質も含まれていますが、普通に化粧品に使われている成分です。
しかし、これらの成分は肌の上に塗ることを前提にしていて、肌の中に入っていくことを前提にしているものではありません。
イノスピキュールはファンデーションにまみれて存在しているわけですから、イノスピキュールが肌に刺さったときに、これらの成分が肌の中に入っていってしまうということは当然考えられます。
本当に基底層まで刺さるのであれば、通常の角質のバリア層を超えてケミカルな成分が中に打ち込まれてしまうので、アレルギーや炎症を引き起こす可能性もあります。
さらに、もし販売側の言い分が正しいのであればイノスピキュールは最大72時間刺さっているわけですよね。
そうすると仮にこれらの成分がどんなに安全だったとしても、多くの女性は72時間の間にメイクやスキンケアをするわけですから、それらの物質が針を伝って肌の中に入ってしまう可能性が当然あります。
かつ、V3ファンデーションは専用のパフしか使えないということですから、不衛生な状態で使用されるということも考えられます」
▲目元や粘膜など皮膚が薄くデリケートな部位には使用しないのが良いらしい。
「数十本の針」に果たして効果はあるのか
仮にイノスピキュールが角質層を超えていなかったとしても、上原氏には疑問視する箇所があると言う。
「大きさ0.2mmのイノスピキュールが果たして肌に刺さるかですよね。角質層の上の方に針が少し刺さっているくらいならば、大した効果は期待できません」
別の美容サロンの解説によれば、ファンデーション全体、15gの中に3000本の針が入っていると書かれている。
一回あたりの使用量は1プッシュ約0.14g。
すなわち一回あたりの使用量だと針の量は30本前後ということになる。
「医学的には、ものを刺すとそれが治ろうとするとき、創傷治癒の働きによって肌にハリが出るということは実証されています。
ですので、病院でも針を刺す、レーザーで穴をあけるなどして肌にハリを出す治療は沢山ありますが、そういった治療では数百、数千という数の針を刺します。
ですので数十本イノスピキュールというものが肌に刺さったところで効果は期待できないでしょう。
さらに、その数十本が全て直角に刺さっているのならまだしも、一部はうまく刺さらずにくっついているだけの状態になっていると考えると、冷静に考えれば効果は薄いですよね」
▲収拾がつかないほど様々なブログ、サイト、SNSで感想や口コミがありました。
コーティングしているのは臍帯血細胞「培養」液?
また、「スピキュールをコーティングしているのは、赤ちゃんの臍帯血細胞培養液」という文言にも懐疑的だ。
「病院では臍帯血から抽出したものとしてプラセンタを使うことがあります。
培養液ではなく、臍帯血そのものを抽出しているプラセンタですら、たとえば一週間に一回、数ccを打つというような使い方をするわけです。
イノスピキュールの周りにまとわりついている臍帯血細胞培養液というものは、培養したものである上に成分量としてはおそらく果てしなく少ないですよね。
ですので当然効果も期待できないということになります。」
この商品を良いと感じている人がいるのは、「ツヤ感が出ると肌にハリがあるように見える『ソフトフォーカス効果』と、下から押しながら塗ることで一時的なマッサージ効果が出てむくみが取れ、顔にハリが出ているように見える」からではないかと指摘する。
美容雑誌の付録に!?
上原氏の話を聞く限り、「トンデモ商品」と言わざるを得ないこの「V3ファンデーション」だが、付録としての発売を予定している美容雑誌があるという。
美容に関心の高い人ならばほとんどが知っているであろう有名誌だ。
これまでに幾度も「V3ファンデーション」を誌面で取り上げており、なんとこの度付録として発売する。
これには上原氏も怪訝な表情だ。
「残念だなと思うのは、一般の人よりは美容リテラシーが高いはずのメディアが見抜けないことですね。
お金の関係で受けているのかもしれませんが、プライドを持って自分たちが記事や付録にするものは調べていただきたいなと思います。
SNSに書いてあることは信用しなくても、雑誌やメディアが取り上げると信じてしまう人は多いと思います」
また、上原医師は最後にこう語る。
私たちが持つべき美容リテラシーとは
最後に、私たちが持つべき美容リテラシーについて上原氏に話を聞いた。
「私がいつも言っているのは、製品を持って『〇〇使ってみました!』と投稿しているインフルエンサーを沢山見かける商品は、ステマ(PR案件と公表せずに、自分の個人的なお気に入りのような形でおすすめをする広告手法)だと思ったほうが良いということ。
PRで稼いだお金で食べている人もいるわけですから、インフルエンサーが使っているものは危険な傾向すらあると思います。
普段の投稿のトンマナ(SNS等のアカウント独自の一体感のある表現方法)を無視していきなり商品を出してきたらそれはステマの可能性が高いです。
確実に言えるのは、『勉強している人の意見を聞くべき』ということですね。
本当に化粧品のことを知っている人かどうかを判断基準にすると良いと思います」 「V3ファンデーション」が不審なのはこれまで挙げてきた点だけではない。
Googleで検索をかけても出てくるのは販売店のサロンや代理店ばかりで、製造元がはっきりしないのだ。
また、韓国製であると様々なサイトに書いてあるにも関わらず、開発者が日本人であるという情報も出てくる。
怪しいとしか言い様のないこのファンデーションだが、インフルエンサーや芸能人を信用するのか、専門家を信用するのかは貴方次第だ。
【上原恵理氏】 形成専門医・美容外科医・美容皮膚科医として美容クリニック及び大学病院に勤務。著書『すっぴんクオリティを上げるさわらない美容』(KADOKAWA)。 Twitterアカウント:@dr_uehara インスタグラム:@eri.uehara YouTube「えりりんちゃんねる」
なるほど〜!!大変ためになる記事でした。私たちも情報や過大な誇大広告に惑わされずに、専門家のアドバイスも聞いて、安易に勧められてもNO!!と言える意思を持たなければいけないという事です。そんな中でも筆者も愛用しているV3ファンデーション。私自身の肌には全く問題はなく、逆にツヤツヤになるので大好きなアイテムの一つです。皆さんもまずはパッチテストをして試してみられて下さいね^^

